[コメント] アイデン&ティティ(2003/日)
ロックンロール、それは歌い続けるということ。[吉祥寺バウスシアター1]
以前、知人のライブを聴きに、とあるライブハウスに出かけた際、対バンで弾き語り2人組のユニットがいた。MCを聞いていると、これがなかなか変わった経歴なのである。
「最初は5人編成のバンド形式で始めました。ところがドラムが抜けベースが抜け、さらにもう1人抜け、とうとう2人になっちゃいました」。
正直言ってびっくりした。2人になってもバンド形式でやれなくなっても、それでもまだ続けているのである。メンバーを募集するなり、あるいは他のバンドに加入するなりということをせずに。
そんなことがあったずっと後になってこの映画を観て、このユニットのことを思い出した。メンバーに逃げられて2人だけになって、それでもまだ未練がましくやってるなんて、実際のところ格好悪い。はっきり言って負け犬である。それでもなお歌い続けること、それが彼らにとっての「アイデン&ティティ」なんだろう。
ライブの話をもう少し書くと、後で登場した知人の出番が終わり、挨拶して外へ出ると、一足先に出ていたらしいあの2人組が、熱心に議論しながら駅へと向かうところだった。彼らの後ろ姿を目で追いながら、君らはそれでいいんだ、しっかりやれよ、と心の中でつぶやいた。
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