[コメント] エレファント(2003/米)
写真部の生徒と金髪の生徒が廊下で出会い、言葉を交わして写真を一枚撮る。その傍らを図書室の手伝いに向かう女子生徒が走り過ぎる。
それだけ。ただそれだけの場面が3つの異なる時制、異なるアングルから映される。それを見せられているだけなのに、こんなに面白いんだから不思議だ。あるいは、アメフト部のイケメン生徒がグラウンドから校舎に向かい歩くのを数分に亘りただひたすらカメラは追いかける。普通に考えりゃこんな映像面白いはずがない。なのに面白いのだ。
映画という表現方法のもつ醍醐味を、ある意味究極まで純化させた作品だと言えるように思う。
もちろん後に起きる「事件」への予感があるからこそ、これらの「意味のない」映像を観ていられるのだというのも確かだと思う。が、仮に「事件」が始まる前段階で、「事件」の顛末が映されることなく映画が終わったとしても、もしかしたら自分はこの作品をやはり面白いと思ったのではないか?そんな気さえしてくるから興味深い。
いずれにしても、こういう作品の場合、ラストカットに何を持ってくるか、という点は非常に難しいと思う。この映画のラストカットは自分にはイマイチなように感じた。だからといって何を持ってくれば正解だったのかを語るのは困難だけど。
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