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[コメント] 下妻物語(2004/日)

役者の勝利。0510103
しど

何時まで経ってもぼんやりとしたキャラの深田恭子と、濃い顔で灰汁の強い演技の土屋アンナとが上手い事絡み合ってて、やりとりだけ見てても飽きない。

客観的に見れば、シンプルな展開(出会い、事件、オチ)だし、登場人物も典型的で「チンピラ一家」と「いじめられっ子の不良化」だし、出来たものを分析すれば、面白味に欠けた題材ばかりなんだけど、その点は、敢えてチンピラ少女が「フリフリ」というギャップを編み出した原作の上手さだろう。そして、原作が面白くても、凡庸な邦画作品ならば、深田と土屋とを逆の役にして失敗しちゃってただろう。フリフリゴスロリもカッコ良く着こなす土屋と似合わない啖呵を浴びせる深田、ほら、こっちのが何となくアリそうでしょ?(笑)。

とはいえ、功績は土屋が大きい。理想的なヤンキー顔をここまで具現化した人を思い出せない。ハスキーな声と歪んだ顔が、醜くなくてキュート。あそこまで顔立ちのはっきりした美形であれば、ヤンキーメイクも本来の理想に近い結果としてきれいに見えるというのを再発見したり。土屋の飛び道具的な魅力が、役立たずな印象すらある深田の不動的安定感と上手く噛みあった奇跡的な面白さ。

主人公達の魅力があるから、他の漫画チックな表現も、宮迫や阿部達男優陣の変わり映えしない起用方法も許せちゃう。あ、思い出したら、隠し味として樹木希林がちゃんと効いてたか。

舞台・人物設定、起承転結のはっきりしたストーリーに、役者がきっちりはまっていて、ホント、今時珍しいきちんとした娯楽作品。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)おーい粗茶[*] Myurakz[*] けにろん[*]

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