月並みでありまするが目の前にブツブツがあるとついつい潰したくなるのです。こればっかはしょうがない。いや本当。本能なの。で、そんな人間なんで映画観ててもあのさとうきびの群が最後なくなるとなんかすっきりした。物語自体は登場人物それぞれがなにやら悩みを抱えながらキビ刈り隊に志願兵して来るってまぁそれ自体はごくごくありがちなお話ではあるんだけど、違うのがその悩みがはっきりしないってこと。しかも自己紹介の時一番自分のことを語っていた香里奈が、自分を派遣したのって微妙ギリギリなギャグ（？）だけ残して結局最後まで何があってやって来たのか謎のまんま。普通だったら各自が自分の悩みを打ち明けて→ぶつかり合って→問題解決ってもんだけど。この映画はそうじゃない。あえて言うならサトウキビの群とのぶつかり合いとでも言うか。っていうか何も語らずにただサトウキビと格闘する彼らの表情・変化。それだけでもう満腹。さとうきびを刈っていくことを通して、胸の内にあったモヤモヤがさとうきびと一緒になくなってすっきりする。最後、香里奈がキビをみんなに渡した後、各自がバラバラの方に向って歩いていく。で画面にはキビのあった大地だけが残るってのが印象的だった。みんながまた自分たちの生活に戻っていったんだ〜って。「深呼吸すれば早くなるの？勝てるの？」なにかと勝ち負けとか結果が大事にされる時代。何か事件が起きるんじゃないけどでも大切なこと。色々想いをはせながらふと深く息を吸い込むのでありますた。