[コメント] 泥の河(1981/日)
「貧乏な事」よりも、戦後に生じた「格差がある事」の方が切ない。喜一がサワガニをアルコールに浸した後、生きたままのそれに火をつけるシーン、銀子の楽しそうな入浴シーンが印象に残った。いや、ロリな意味ではなくてw 銀子は本作の中でたった2度しか笑わないものだから・・・。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
米櫃に手を突っ込んで「温かい」と言う銀子。
それは、実際に温かいのではなく、食べられるものがあるという安心感からくる温かさなんじゃないかな。
銀子は本作で2度だけ笑うと書いた。
一度は入浴シーンで。もう一度は、信雄の父が、喜一と信雄に手品を見せているシーン。積極的ではないが、少し微笑む。
たったこれだけ。
ラスト、信雄は去っていく船に対して喜一の名前を叫ぶ。だが、喜一は顔を出さない。
きっと、しっかり者の銀子がそれを制したんじゃないか、と僕は思った。
銀子は全て知っている。僕には銀子だけが子供でありながら大人の世界に足を踏み入れてしまっているように思えてならなかった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。