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[コメント] 華氏911(2004/米)

強烈なメッセージを込められた作品であるとは思う。 見るもの全ての人の虚無感を誘い出すと想像するが、見る価値もあるかも知れない。 しかしパルムドールは疑問。
トシ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この作品は事前知識を映画評論家の町山智浩さんの「アメリカ日記」でかなり得ており、 マイケル・ムーア監督の主張もインタビューも読ませて戴いた。 その上で観たわけだが、まず、この「映画」が「映画」というメディア(?)で流通されたことが残念。 本来はアメリカTVの特別番組という形が一番ふさわしいのではないかと感じた。 前半の映像はTVメディアの編集ばかりで、大型スクリーンに映す映像とは言い難い。 編集=モンタージュ=コラージュと、どの言葉を使っても良いけれど借り物ばかりを並べており前作の製作方針とはえらく違うように感じたし、退屈だった。 後半、ムーア監督の撮った映像がかなりの部分を占めるようになってようやく「作品」として感じられるようになる。 見終わって己の無能、不甲斐なさ、だらしなさ、無気力を痛切に感じたし、無力感も味わうという羽目に陥る。 政府の中枢を占める人たちのエゴイスティックな行為。操作されたメディアによって歪曲された情報。それを信じた人々。作られた常識。止める術を持たない、又は行使しないアメリカの投票権を持つ人たち。 監督が意図した事に反し(?)アメリカの問題点を映し出す事によって、観た人全ての人の原罪意識を喚起するという結果になったのは、メディアの力だと思う。 ここにあるのはアメリカだけの問題などではない。 我々の国でも似たような事が行われているに違いない。 世界の国で同じような「力」が働いているのだ、と簡単に想像出来る。

この「映画」を観ても、行動の変化が無いだろうと思う自分が淋しい。

しかし「映画」として水準が高いとは思えないし、二度観る事はないだろう。

(評価:★3)

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