[コメント] 戦争のはらわた(1977/独=英)
デヴィッド・ワーナーがサイドカーに乗って「行け」と言いながら煙草を捨てる一連の演技がたまらない
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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リマスター版上映を控えて、ということと『ハクソー・リッジ』鑑賞後にあらためて。やはり多くのシーンが印象的で全体としてのつながり、整合性とあのラストにやや違和感がありながらも極めて力強い印象を受ける。
シュタイナーが病院送りになってからの虚実混じったカットバックがユニークだが、戦地でなければ正気を保てない彼の哀しさをあらわしていたのか。戦地でこそ英雄的に振舞える彼のような下士官はやや誇張されているにしても自由意志と戦争の相容れなさを表現するには有効であったと思える。もちろん娯楽性ももたらしている。
ソ連の少年兵が逃がされる際にハーモニカを渡すシーンもすごく良かったのだが、あの少年がクストリッツァ作品の常連、スラヴコ・スティマッチだったとは。
最後に流れるブレヒトの「諸君、あの男の敗北を喜ぶな。世界は立ち上がり奴を阻止した。だが奴を生んだメス犬がまた発情している」という言葉はこの現代でやけに響く。
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