[コメント] あゝ声なき友(1972/日)
戦友の遺書を届け続けるという行為は、結局誰の為だったのか?誰もが不幸になるというジレンマ。ラストのショットの静かだが強烈な静止画に、はっと驚く。そして、このタイトルの秀逸さが響くのだ。今しばらく余韻が欲しい作品である。
但し、物語の形式上、オムニバス的になってしまって、それぞれの心を掻き毟るようなドラマが希薄になってしまっているのが大変惜しい。
また、渥美清のようなコメディセンスを持った俳優をこういったシリアスなドラマに登用したことは大成功であると思う。我々はそこに、普段の陽気な俳優と本作でのシリアスな俳優とのギャップにより多くの哀しみを感じられるからだ。
本作は「陽気な渥美清」なくしては成り立たない作品であったと思う。
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