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[コメント] ヴィレッジ(2004/米)

ジャンルに[Shyamalan]と書き加えたいほどシャマラン映画だ。一人では成立しないVillage=村としての意味。突き抜けた演出よりも作品全体を包み込む温もりに重点を置いた姿勢。心優しい気持ちになれるのもシャマラン映画なのだ。
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







その温もりはエンディングを迎えた後、初めて味わうことが出来る。

村における掟の謎、年長者の彼らには何が隠されているのだろう。ルシアスが町を出たいということは何を意味するか。アイヴィーのルシアスを思う(到底私には分かりっこない)気持ち。衣装を身にまとうノアはアイヴィーにどんな気持ちを真正面からぶつけたかったのか。

こういった個々のエピソードを繋ぎ合わせながら推理し、その答えが曖昧ではあるが形になりそうだ…というところでエンディングを迎える(勿論そのエンディングを迎える直前には村における驚愕の事実が鑑賞者に告げられる…)。ルシアスを囲むように年長者が嘆き決意するシーン、あそこが全てだとは言い切れない。しかしながら、あのシーン、特にウォーカー先生のセリフがこの作品に「温もり」を与えてくれたといっても過言では無い。上記にあげたそれまでのエピソードの答えを導き出してくれるのと同時に、シャマランの「人間と人間は一緒に生きるからこそ人間なんだ」というメッセージを受け取った気分にさえなる。個人的にはそれが温もりとして感じられ、結果的にはおっても良い気分になれてしまった。

一見トンデモナイ場面や、ラストで「やられた!」と思わせてくれる演出こそシャマラン監督だろう。それに付加するように「温もり」を与えてくれたこの作品は間違いなく新しい[Shyamalan]ジャンルな作品なのかもしれない。

(評価:★5)

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