[コメント] ブラックレイン(1989/米)
この映画を観るまで、オオサカがこんな妖しい街であるとは知りませんでした。夜とかでも平気で歩いてたのに…
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
松田優作の遺作として有名な作品だが、彼の最後の作品がハリウッド資本というのが面白い。人を食ってると言うか。しかも監督があのリドリー=スコット。かなり期待していた。
スコット監督と言えば、それまでに『エイリアン』や『ブレード・ランナー』と言った未来SF作品を中心に作ってきた監督だったが、それらの作品の中でも都市の風景、中でも特に夜の町の演出は際だっていた。水に濡れる街路が町の光を浴びて仄かに光りを発するのをロー・アングルで捉える辺り、実に見事。ごみごみした町並みを幻想的にさえ見せる技法は見事。
それであの大阪の街をどう撮るのか興味があったが、これが又見事にはまっていた。ミナミのあの辺りは何度か歩いたことがあってでさえ、あんな風に街が映せるなんて思いもしない。実に妖しげで雰囲気が良かった。中盤で無機的なアーケードの町並みとコンクリートづくしの警察署を印象づけた後、最後で畳敷きの純和風の家と畑の泥で締める。効果としては結構質が高かった。
作品としては、それまでエキゾチックな国として、あるいはゼンとカラテの国としてしか認識されていなかった(?)日本を一つの文明国として描いた所が好感持てる(と言っても結構誤解もあるけど)。縦型の人間関係にあるヤクザ組織と、それを超えようとした男が結構上手く描けていたんじゃないかな?逆に言えばそれ以外のキャラの立て方が下手だったけど。特に高倉健の描き方は情けなさ過ぎ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (7 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。