[コメント] 青いパパイヤの香り(1993/仏=ベトナム)
写真が動いてる!っていう古風な感動をする夏のひととき
最近NHKで「昔の日本の映像募集します」みたいな宣伝をやっていた(主に戦前のフィルムが中心で)。それでNHKが既に入手したそういう映像の紹介をやっていたんだけどこれが「綺麗なカラー」なんだ。なぜこんな事が出来るかと言うと薄まってしまった色素をデジタル編集で復活させたかららしい。
で、映像に映った当時の雰囲気。そこには自分たちが思い描く「どんよりとした空、血も涙もない軍隊、貧しそうな民衆」なんていうグレーな戦前イメージなんてなく普通に生活している結構楽しそうな人やカラフルな町、なにより青い空(当たり前だけど違和感ありますよ)に驚かされるのだ。
おそらく監督が異常な位、色彩と美しいカットにこだわったのは「戦前のリアルなベトナム」って言うより上記の日本の戦前と同じく「人々の戦前、戦中のグレーなベトナム」に対するアンチテーゼなんだろう(人々っていうのはベトナムの一般人だけではなく「フランス時代はろくでもなかった」としか言わない共産党の幹部や戦中しか描かないアメリカ映画も含む)。
ところで日本で言ったらこの作品のスタンス(カラフル貴族ロマン)に近いものって言うと「はいからさんが通る」かも。俺はコレで大正時代見直したし(見直されても大和和紀は困るだろうが)。
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