[コメント] 大統領の理髪師(2004/韓国)
何を笑うかが、今ひとつ定まりきっていないような感じもする。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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朴政権時代の韓国のことはよく知らないから、風刺なのかどうなのか、またその痛烈さがよくわからなかったが、それでも前半はユーモラスで笑えるシーンも多いが、後半、マルクス病だとか、スパイ容疑で息子を警察に連れて行くようになってからはほとんど笑えなくなった。
韓国の実態を知らないから、というのもあるのだが、同時にこの映画がコメディとして、何を笑っているのか。権力者のご機嫌うかがいに汲々とする庶民の姿は、いかに滑稽であったとしても、身につまされるようなものがあって中々素直には笑えない。特にその結果、幼い息子まで拷問で痛めつけられては、さすがに暗澹たる気持ちが強くなる。
後半には朴大統領に向かって「あなたも長い」とぽろっと言わせたりして、センスのよさは感じるのだが、その笑いが怒りを含んだものへと深化させる点が弱かったのでないだろうか。
ただ、「殺人の追憶」でも好演したソン・ガンホの演技はやはり確かで、時代の動きに翻弄されるだけの小心な男の姿をよく演じていたと思う。
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