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[コメント] オペレッタ狸御殿(2004/日)

チープ且つやたら色鮮やかなセットや不自然すぎるCGをバックに繰り広げられる、歌あり踊りあり微妙すぎるギャグありのやりたい放題演出に、『カポネ大いに泣く』や『結婚』などのヤケクソさいい加減さを想起し静かに熱狂!しかし・・・
太陽と戦慄

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







中盤あたりから目に見えて失速する。

ツィゴイネルワイゼン』以降、人物描写を丸ごと放棄するようになった清順が、中途半端に物語を語る方向にシフトしたのが敗因と思われる。正直に言って、後半の感傷的で爽快感のない展開は感情移入できず白けるのみ。好きな部分もたくさんあるが、全体的な印象として、なんともしっくりこない感じだ。

どうせなら、もっと映画そのものを破壊する方向に行ってほしかった。『カポネ大いに泣く』なんてまさしくそういう映画だったし、『悲愁物語』なんかでも一番痺れたのはラストの投げやりさだ。

ただ、由紀さおり演じる「びるぜん婆々」の歌が最高だったことは記しておきたい。ラップまで飛び出してきたのは笑ったし、死ぬ前に歌う「びるぜん婆々として〜♪」というやたら大袈裟な歌には爆笑しそうになった。周りのお客さんはシーンとしていたので堪えたが。

ムーンライダーズファンとしては、白井良明が音楽を担当し出演もしているのは単純に嬉しかった。ミュージカル部分は大いに楽しめたし、チャン・ツィイーも可愛く撮れてたし、これはこれでまあいいのかな。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)トシ ぽんしゅう[*] 水那岐[*]

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