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[コメント] ミリオンダラー・ベイビー(2004/米)

条件を揃えていく様が私には耐えられません
パッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これは人生に満足感を抱きながら(とは言い過ぎだと思うけど)病に倒れた希なケースのお話。「納得せざるを得ない死に向かって」様々な条件を揃えていく様に、私は耐えられませんでした。

満足な気持ちなど持てぬまま、病床に伏す方たちもたくさんみえるものと思います。

だからこそ映画で描き、伝えるのは、生きようとする姿であって欲しいと願うのです。

■終盤の描き方はわかりやすすぎる

確かに、秀逸という言葉が当てはまる映画でした。でも、全体に流れる重苦しい雰囲気に、そしてラストへの予感と終盤の流れに私は押し潰されそうでした。

中盤まで登場人物の心の交流が丁寧に描かれていましたが、終盤は「死」に向かって、ある意味とっても「わかりやすく」たたみ掛けてしまい、本当はもっと微妙で複雑な葛藤が描けているとは思えませんでした。中でも、マギーの家族の描き方は引き金を引きやすくするために、わざとやっているようにさえ思えました。

■現実の暮らしの中で感じること

冷静な批評や評価は、今の私にはできません。

それは、『1リットルの涙』を観た後であったこと。そしてその前に、身近にまさに今生きようと支え合う家族を目の当たりにしているからだと思います。

1リットルの涙』は、徐々に動けなくなり、意志表示も困難になっていく難病の方の日記に基づいた記録であり、そうした中で、生きること、人の役に立つことを求め続けた真実のお話です。そして、今身近に、同様の境遇のなかで支え合う家族と接し、私自身が心動かされ、力を与えていただいています。

■私が映画に求めてしまうもの

いろいろな映画があって当然良いのですが、甘ったれの私は、いろんな境遇の中で淡々と生きようとする姿こそを映画に求めてしまいます。私は、映画が与える影響の大きさを、映画の力を信じています。

映画は、厳しい状況の中で生きようとする人たちに、何か光を感じてもらえるものであって欲しいと願うのです。

映画は、生きようと支え合う家族の方たちの力になるものであって欲しいと願うのです。

映画は、人の役に立ちたいと無念に思われている人たちに、あなたのその姿がまわりの私たちにどれほど勇気を与えてくれているのかを伝えるものであって欲しいと願うのです。

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※これは、映画の批評でも評価でもありません。自分のなんともモヤモヤとした気持ちを書き殴っただけもものです。読まれて気分を害される方がみえたらお詫びします。

(評価:★2)

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