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[コメント] 交渉人 真下正義(2005/日)

東京の地下鉄網を舞台にしたのは、やたらと複雑な分、韓国の『TUBE』などには出せない雰囲気があってよい。ただ肝心の真下と犯人との交渉と駆け引きにスリルさが欠ける。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







鉄道マニアと爆弾マニアと無線マニアと映画マニアが同一人物。どうも頭の中で人格がリンクしない。鉄道と映画、爆弾と無線はいかにもでリンクできるのだが…。その辺、プロファイルでもごまかしていたような気がするし、結局、犯人が何がしたくてこのような知識を寄せ集めたのかしっくりこない。知能犯てな感じでもないし…。

何年も前からシステムの中にバグを仕込んだのであれば、何か思うところ(計画性)があったように思うのだが…。オタクの王様と言うよりは、単なるキモオタではないでしょうか(だから王様なのか)? やっぱり私には理解できない。

犯人の人格がうまくリンクしないことに関連してか、真下を中心とする捜査員、鉄道員、爆弾処理班、SATの連帯感もピりっとしてこなかった。それは真下の力の抜き加減にもよるのだろうが…。こういう初対面同士の連帯感って、重大な恐怖があってはじめて共闘意識が生まれると思うのだが、観ている私は、恐怖や得体の知れなさを感じることができず傍観者になってしまっていた。

でも(あると便利と言われていた)フリーゲイジの発想は面白いし、その造形もよかったと思う(一応、元国鉄鉄道少年団団員として)。本作では鉄道マンが多く出ているのも良かったんだけど、鉄道愛好家としてクモを蜂の巣にするのはどうかと思う。。。クモに爆弾が無いと判断したならば、いっそのことレールに爆弾を仕込むほうが確実にクモを止められたのではないだろうか。 爆破と蜂の巣とで作者にどちらに鉄道への愛があるかといえば、それは目新しさの勝負であって、鉄道愛はどちらにしても無いんだろうな〜。開発したエンジニア(生みの親)の複雑な心境があってもいいところと技術者の私は思う。

尼崎事故でパニックシーンをカットしたそうだけど、登場人物はどの立場も電車を外から操ろうとする人ばかりで、電車に乗っている立場のキーマンが描かれていない(これって鉄道パニックものとしてはかなり特異な設定だと思う)。

あと、真下さんのあの検索マシン(オタク対応マシン?)がほしい。

ところで、知人の関係でコンサートホール(東京国際フォーラム)に4000人近くのエキストラの一人として私も参加していたのですが(結構いいポジションだったけど映像で確認できず残念。私の連れは映っていた)、クレーンやカメラの動きとか撮影現場は楽しかった。ユースケサンタマリアは映画よりもサービス旺盛のトークのほうが断然良い。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)煽尼采[*] おーい粗茶[*] Myurakz[*] 甘崎庵[*]

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