[コメント] バットマン ビギンズ(2005/米)
終盤より序盤が面白いという稀なアクション映画。だが、ヒーローものの主人公描写のレベルとしては群を抜いて高い。アクションではなく、ドラマなのだ。(2008.08.05.)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
敵役のインパクトが薄いことが、どうしても緊迫感を削いでしまう。放浪から戻ったブルース・ウェインは、ゴッサム・シティに蔓延る悪を一掃するためにバットマンとして立ち向かうことを決意するのだが、その“悪”が視覚的に伝わりづらいのだ。
バットマンがいかにしてバットマンとなったかを描くために、丁寧な人間描写を見せてくれるが、その分アクション映画としての魅力は減ったように思う。終盤よりも、序盤の方が面白いというのは、構成としてはやはり歪なのである。
とはいえ、その序盤の出来には感心する。過去と自らの内面と向き合いながら修行をするブルースの描かれ方はすごく深いし、バットマンとして活動を開始する前の準備過程までしっかり見せてくれることに人間味を感じさせてくれた。『スパイダーマン』では、気がついたらあのスーツを着ていたが、この映画では自らの手でバットスーツを作成する場面まで登場してしまうのだ!
さまざまなヒーローものも主人公の葛藤を描くが、詳細な描写を考えるとこの映画は、人間描写に関しては過去にないほどにていねいと言えるかもしれない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。