[コメント] 宇宙戦争(2005/米)
カーペンターより過剰で、エイリアンより怖くて、最近のイーストウッドより倫理的だ。
カーペンターより過剰で、エイリアンより怖くて、最近のイーストウッドより倫理的だ。それでいて物語として簡潔で雄弁で娯楽映画。これがハリウッド映画。これがスピルバーグ。カメラのカミンスキーもよい。『マイノリティレポート』のハイキーな感じは抑えられているがやはりコントラストのある、全体として暗い色調。ある時はノワールのような、ある時はネオリアリスモのような雰囲気すら感じさせる。最初のレイチェルを捉えたバストショットから引き込まれた。彼女の存在もとてもよい。ある種の巫女的な要素と子供的な要素が混同する様が物語を引っ張っている。そういう意味で主役は彼女だ。でもトムクルーズもいい。初めてトムクルーズがいいと思った。地下からばりばりと忍び寄る感じは『ジョーズ』の水面カの恐怖を、娯楽としては過剰とも言える人々の様は『シンドラーのリスト』、逆光ぎみの宇宙人は『未知との遭遇』、家族とうまくいっていない孤独な主人公は『マイノリティレポート』、ひたすら我が子をまもる姿は『A.I』を彷彿ともさせる。スピルバーグ映画そのものが過剰に満ちた簡潔で雄弁な娯楽映画だ。
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