[コメント] NANA(2005/日)
宮崎あおいがいい! 原作イメージから脱却した独自のハチ像をすごくかわいく演じていた。ストーリーにうまく起承転結をつけられていて、素直に楽しめる映画になっていた。マンガの映画化としての成功例。(2005.09.23.)
原作に忠実に映画化することだけが重要だとは僕はまったく思っていない。映画化に際して重要なのは原作をいかに映画としてオリジナルなものにできるかだと思う。『NANA』に関しては原作の途中までしか映画にしていない中、2時間という枠を考えた上で起承転結をきっちりつけた脚本ができたことで、すごくバランスのよい娯楽映画になった。素直に楽しめる観客が多いと思う。
そして映画としてのオリジナリティという面では宮崎あおいが頑張っていた。原作イメージとはややずれたキャスティングだと思う人もいるだろうが、ハチ役を自分のものにして、結果的に演技力と可愛らしさが際立っていた。彼女はこれからも有望だ。
この映画はコミックスが爆発的に売れているだけにヒットしなければいけないというプレッシャーがあると思うが、万人に受けるために矢沢あいの原作コミックが持つ強烈な個性をやや抑えたのは得策だったかもしれない。あの世界観を緻密に映像として再現するのは難しい。うまくいっても渋谷や原宿のオシャレさんにだけしか受けないだろうし、失敗したらとんでもない誰もついてこないくらい突飛になると思う。結構、バランスって重要なんです。
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