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[コメント] 七人の侍(1954/日)

感動しました。ほんと奇跡のような作品だと思います。レビューでは2つの台詞の意味を解釈してみました。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「腹がへりゃー、熊だって山降りるだー」・・・ 長老のこの台詞は、飯で雇われた七人の侍と、実際に腹へって山を降りてきた30人の野武士とのダブルミーニングになっているのだろう。侍と野武士。美徳・悪徳の違いこそあれ、百姓はかれらの胃袋を支配しているとの長老の誇りの表れとも取れる。

「勝ったのは百姓」と言ったラストの勘兵衛の台詞は、生きる為に生死をかける武士に対する、生きる苦しみと喜びを知る百姓の勝利を意味していたと思う。勘兵衛ら雇われ侍も、野武士も武士社会の敗北者。武士社会の虚しさに対する勘兵衛の悟りを感じる。

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本作。とにかく、もう感動しました。

 ・侍、百姓、野武士に、いとも簡単に同化してしまう菊千代。

 ・勘兵衛による地図と言葉による驚くほど簡単明瞭な戦略的説明。

 ・騎馬武者の勇ましさと美しさ。

 ・最期の言葉を一言も発せず斃れ逝く4人の侍。

 ・斃れた侍は皆、剣や弓ではなく、種子島の餌食となる設定 ・・・

一々コメントを書こうとすると際限がありません。仮にトライしても言葉に尽くせない事でしょう。鑑賞できただけでも感謝の気持ちでいっぱいです。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)* 緑雨[*] Myurakz[*] chokobo[*]

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