[コメント] デルス・ウザーラ(1975/露)
「この人悪い人」「この人怖い人」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
自然をこう例えるデルスは、過酷な大自然の中でも強く生き抜いていく。しかし、当の人が形成した都会(人間社会)にあって、彼はあまりにも無知無力であった。
無知なのは、デルスか我々か?
大自然と都会。どちらも人にとって厳しい世界なのは間違いない。
例えば、当時のソ連がそうであったように、「共存」を謳った社会主義も、弱肉強食的「競争」を原理とした資本主義も、「共存」と「競争」という自然の法則を別の角度から取り入れた経済主義といえる。いずれも人間社会の繁栄を前提としている。
しかし、人は騙し、騙される。そして、騙されないよう人を疑う。
皮肉なことに、都会に平然と暮らす為、我々は、自然と共存という概念を捨て去り、人間の共存に対する概念をも見失ってしまったのだ。
私がこの作品に惹かれるのは、自然と人間の共存を前提としたデルスの原始的な価値観、見返りを求めない原始的な友愛にあります。
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