[コメント] ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!(2005/英=米)
技術的進歩とバジェットの膨大化が必ずしも映画に貢献しないことを露呈してしまっているが、冒頭の「夜」の質感を見るだけでもやはり信用するに足る映画であることが分かる(映画における夜の石畳には水たまりと月光の照り返しがなければならないのだ!)。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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過去のシリーズ作に比べると若干演出が雑になっていることは否定できず、それが本作の致命的な欠点ともなっているのだが、それでもラストの活劇はさすが。まあ、その活劇にしても『ペンギンに気をつけろ!』『危機一髪!』よりは見劣りするのだが、そのぶん本作はウォレスとグルミットの「絆」を前面に押し出した展開になっている。シリーズを愛する人の中にはそのような涙を誘う展開自体に鼻白む向きもあろうが、それはドリームワークス云々以前に長編映画としては当然ありうべき選択肢であっただろう。
ところで、今さら云うのも何だが、グルミットをまったく喋らないキャラクタにするというのはやはり秀逸なアイデアだったと思う。喋らないにもかかわらず、そしてほとんど眉(?)を動かすだけで一般的な意味での「豊かな表情」ではないにもかかわらず、彼の感情は手に取るように伝わってくる。映画のキャラクタ史において、グルミットはハーポ・マルクス以来の発明だと云っても過言ではない。かもしれない。
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