[コメント] 嫌われ松子の一生(2006/日)
この松子には感情移入できない。なのに、満点付けちゃうだけの圧倒的パワーと魅力がこの映画にはある。
この映画の川尻松子には、感情移入ができなかった。
中谷美紀はほんとに素晴らしかったと思う。でも、松子は大事な部分でどうしても愛おしい存在にはなれないし、松子を通じて作品が訴えるものも私には何も伝わってこなかった。監督の松子への“想い”が受け取れない。
またミュージカル的であるにも関わらず、松子の歌は、BONNIE PINKやAIに比してあまりに心を揺さぶらない。これはちょっと致命的であったとさえ思う。
私にとって、映画として大事な部分とミュージカルとして大切な部分が空振りしてるのに、なのに、何回も観たいと思わせる。納得いかないのに、結局何回も観て何度も楽しんでしまった。
そ、とにかく面白い。私にとって大切な部分を曲げてでも、この世界に浸り、のめりこんでしまうだけの圧倒的パワーと魅力ががこの作品にはある。それは、監督の構成力の凄さと、役者の個性を直球で使い切っちゃう豪腕さと、次々札を切る伏線やアイデアてんこ盛りの演出と、独特のデザイン力が弾けんばかりに調和した賜物だと思う。
今も、BONNIE PINKの歌声がずっと頭の中を渦巻いている。
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