[コメント] 浮草物語(1934/日)
She's a Femme Fatale.
先に見ていたリメイク版と脚本も構成もカット割も殆ど同じ、ってのが凄い。
坂本武と八雲理恵子(訂正しました!)が雨の中、路地を挟んで罵り合うシーンも勿論良いが、ラスト、坂本が駅の待合室で一人佇む八雲を発見するシーンは尚一層良い。
八雲理恵子という人の陰気な枯れた風情は、純和風であると同時に多分にハードボイルド的/フィルム・ノワール的で、ファム=ファタールというのはこういう女のことを指すのではないかと思ったりした。
リメイク版で冷笑的な旅芸人の一人を演じた三井弘次が、ここでは坂本の隠し種に当たる好青年を演じているが可笑しい。これが実際より数年後にトーキー映画として作られてたら濁声の彼にはこの役はまわって来なかったであろう。
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