[コメント] 明日の記憶(2005/日)
日本社会のいろんなところで既に起こっていそうな現象に、豪華キャストで警鐘を鳴らしている。これで泣ける自分は、まだ幸せなのだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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夫婦って何だろう、家族って何だろうって改めて考えるきっかけにはなった。しかし、病魔がいつ誰に襲いかかるかは誰にも分からない。遺伝や生活習慣によって統計的な差はあったとしても、本人にしてみれば自分が病気になるのか、そうではないのかだけが問題なのだ。そして、この病気になればまさしく「ゆっくり死んでいく」のだ。
死は誰にも等しく訪れるという意味では確かに平等だが、どのような形で訪れるのかには実に大きな差がある。そしてその形は、自殺でない限りは誰も選ぶことは出来ないのだ。それはとてつもなく恐ろしいことだが、それが現実であることをこの映画はまざまざと描いてみせた。
そして、だからこそ生物的にだけではなく、社会的な意味でも死に向かっていく渡辺謙を取り巻く人々の優しさに、大変に泣けてしまう。それは、自分がこのような立場であったら、周囲の人にこうあって欲しい、という理想を投影したくなるほど、渡辺謙が優しい人々に囲まれているからではないだろうか。
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