[コメント] 時をかける少女(2006/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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冒頭、真琴の日常を描くシーン。
「登校中、大急ぎで自転車に乗って坂を駆け下りていて、踏み切りの前で急停止したら前のめりになってうっかり踏み切りに突っ込んでしまいそうになっちゃいましたぁ〜♪」「化学の実験で分量を間違えて、バクハツしちゃいましたぁ〜♪」と、のっけからこのふたつのシーン。
これらのシーンで「こんな風に“ほんのちょっぴり”ドジっ子な私、可愛いでしょテヘッ♪」ということを表現したかったのだろうが、ここらへんがアニメならではの甘さを感じる。はっきり言って非常に不愉快なシーンだ。もうこの時点で観る気無くす。
もしこれらを、実写で描いたらどうだろう。例えば踏み切りにうっかり飛び込んでしまいそうになるなんて危険極まりないシーンを実写で撮ろうものなら、「冗談でもそういった場面はやめて下さい」と鉄道会社からクレームが来てしまうのではないか。化学の実験シーン、もしこれが現実に起こったらどうだろう。「ついうっかり」分量を間違えてしまったために、同級生に大怪我・大火傷を負わせてしまう危険性がある。同級生の顔に一生残る傷跡がつくかもよ?本来なら「うわっ」って驚くだけじゃとても済まない。
こうした周囲に大迷惑をかけるような非常識な行為を描くことが、「ドジっ子な私テヘッ♪」を表現するという目的だから始末が悪い。真性ドジっ子だろうが“ほんのちょっぴり”ドジっ子だろうがどうでもいいが、非常識行動とっておきながら平気な顔して「テヘッ♪」なノリが気に入らない。それがアニメだから許されると思ったら大間違いだ。
そしてこの物語そのものが「ドジっ子な私テヘッ♪」な目線なんだよな。全てが真琴の都合で振り回されてる感じ。男ふたりは別として、その他の登場人物に対して思いやりが無さすぎる。
この、真琴という子の描き方がもっと違えば、面白いストーリーで良い作品だと思えただろうに。残念。
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