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[コメント] ハチミツとクローバー(2006/日)

天才を表現する凡才。この構図はことごとく失敗する。
ピロちゃんきゅ〜

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







どこまでも「マンガ要素」なキャストたち。マンガだったらそれでいいのだけれど、せっかく実写化という2次元から3次元になるならそれに合わせてそれなりの「奥行き」を出してこないと薄い人間に見えてしまう。まぁ出来てるマンガだとそこも含めて完成されてるもんだけど、そこらへんを抜いてるマンガだとかなり厳しい。て、この原作は読んでないのでどうだか判らないが、単に映画に起こした脚本と演出がダメな可能性もあるかもしれない。ただ、この映画から見るに原作を読む気にはとうてい成れないのだが。

マンガに限らないけど原作にも脚本にも書いてない色んな顔をそれぞれのキャストは役者が自分で考えて持つべきなんだろうと思う。伊勢谷くんの「自己中・破天荒型・実はさびしんぼうな天才」なんて今まで何万人が演じてきたキャラなんだって話だ(マンガ含む)。もっと己を見つめろと。生まれてきて育ってきた数十年の時間と関わってきた人間と環境と社会そのものをよく見つめろと。アレじゃ生まれた瞬間から「自己中・破天荒型・実はさびしんぼうな天才」だ。んなわけねーだろと思う。

って、天才・森田を伊勢谷くんがやってるせいかどうしても素直に見れないだけの話かもしれない。天才に見えないとかそうゆうレベルじゃなくて、それはオレの性だと割り切った方が早いのか。だって伊勢谷くんなんだもん。しょーがないっす。そんなオレが何を言おうがどうにもならないのだが、今回はなんといっても天才・はぐを蒼井優がやってる事がその感情を相乗させて「オマエまでが伊勢谷くんの毒針に!」というもうどうにも割り切れない感情の到達点にいたったのだ。要は羨ましい限りだってことか。オレ的にはとことん桜井くんの立ち位置なわけで何とも哀しいのだが。こんな事ならオレも役者になって天才ぶりたかった。彫刻やらせるとピカイチだけど趣味がゴルフで実はこっそり韓流スターが大好きでこっそりジウちゃんきゅ〜なんてハンドルネームでブログに映画批評なんか書いている天才とかさ。ま「天才」と一言で言うのは簡単だけど天才にもピンからキリまで色んなのがあるって事だな。

ところで、森田が作品を失敗するくだり。監督は映画制作者という「クリエーターである誇り」と「ビジネスという縛り」という同じ境遇同じ苦しみを込めたものと思う。しかし、根本的に独りで創作する彫刻の世界と壮大な金と人で作り上げる映画とでは根本が違うのではないだろうか。彫刻やる人から見たら一緒にすんなよって感じじゃねーか?知らんけど。

(評価:★2)

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