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[コメント] グエムル 漢江の怪物(2006/韓国)

主人公一家をはじめ軍や警察、医療関係者などの描き方がいずれもシュールで、「おいおいそれはないだろう」と言いたくなるような有様の中で、黙々と本能のみに従って獲物を狩る怪物の姿がかえって妙な現実感を醸し出す不思議な映画。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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肉食動物の本能にしたがって獲物を狩り、またそれを巣に溜めおく単純な行動を見せ、怪物といっても所詮はケダモノよ、と思っていたが、その評価を一変させたのが、さらわれた少女が怪物の背を駆け上って脱出を試みたシーン。

一瞬何が起こったのかわからなかったが、次の瞬間、怪物の尾ひれが巻きついているのを見た時に初めて、驚きではない、言い知れぬ恐怖を腹の底にずしっと感じた。この辺の演出の冴えは、凄いの一言であった。

このシーンだけでも監督の力量の高さをうかがわせるが、そういうことができる監督が、人間社会の描き方は敢えてカリカチュアを極端にまできかせて描いたんだろうが、なかなかやりますなとも思うが、他方でそんなことする必要あるのかなあなんて気もしないでもない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] セント[*]

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