[コメント] トゥモロー・ワールド(2006/米)
後半の最も重要な見せ場となる部分は市街戦の中のシーケンスショットだと思うが、このワンカット内の途中で血糊の飛沫がレンズについたまま(レンズが汚れたまま)、カメラを回し続ける部分がある(ワンカット内でいつのまにか汚れは消えるのだ!)。
実は私はこの処置にはかなりの違和感がある。この感覚ははっきり云ってダメだ。これは多分企図したものではなく、アクシデントだったのだろうし(いやワンカット内でいつのまにか消える、というところでどちらにも受け取れるのだが)、結果的にノンフィクションのような臨場感があっていいじゃないか、ということで使われたテイクなのだろうが、私は劇映画のカメラはノンフィクションのカメラとは違うと考える。カメラ(撮影者)の存在をこれだけ意識させるのは、それもシーケンスショットの中でこれをやるのは甚だ興醒め。このようなテイクを選択する、というこの監督の感覚には付いていけない。映画全体が汚らしくなったような気までする。
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