[コメント] パプリカ(2006/日)
確かにアニメーションという形式は現実から非現実(この作品においては「夢」)への「跳躍」を表現するのを得意とするのかもしれない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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というわけで今敏はここで九〇分間ほとんど跳躍しっぱなしの映画をつくってみせたのだが、しかし跳躍とは本来瞬間的な運動のはずであり、だからこそ瞬間的な運動であるところの跳躍をしつづけてみせたこの映画はすごいんですよ! という言説の生まれる余地があることは理解するけれども、私としては「ああ、九〇分跳躍しっぱなしなんですか。ふーん。あっそ」といった感じを拭えず、というか、跳躍を連続するために必要な「持続的な瞬発力」とでも呼ぶべきものは確かにすごいのだろうが、ひとつびとつの跳躍の高さはすべて私の想像の域に難なく収まってしまう程度のもので、「無礼を承知で申し上げますと、そのような小ジャンプ中ジャンプの連続は少々見飽きてしまいましたので、そんなものよりここはひとつ極め付きの大ジャンプを見せては頂けないでしょうか」といういささか卑屈な私の願いが聞き届けられることは遂にないままあっさりと映画は終了して、なんだか空しい。
平沢進の音楽はよい。
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