[コメント] 恐怖のメロディ(1971/米)
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原題の“PLAY MISTY FOR ME”エロール・ガーナーの書いた美しいバラードやね。“MISTY”には、かすみのかかった、霧の深いという意味があるんだね。
この映画はクリント・イーストウッドが、実はロマンチストいう事よく表してるね。イーストウッドは、独身のDJなんやね。なぜ独身にしたか。既婚者だと不倫劇になるから言うんだね。DVD収録のメイキングで言うてたよ。
クリント・イーストウッドが、DVDについて絶賛してる映像も入ってるね。ほぼ永久に劣化しない映像、素晴らしい音質が楽しめて、特典映像も入ってるDVDは、映画製作を志す人達や映画ファンにはたまらないアイテムだね、言うとるの。
特典映像にメイキングが、48分収録されてるんやけど充実してたね。このDVD買ったよ。中古で1,280円で安かったから。映画館行くより安上がりやなぁ。こんな古い映画やってないからね。
メイキングで「試写のときジョン・カサヴェテスに言われたよ。ヒッチコックのクレジットが無かったね。あったらもっとヒットしたと思うよ(笑)」言ってたなぁ。
確かにヒッチコックタッチのサスペンスなんやけど、それだけじゃないね。短絡的な人はラストが『めまい』を連想させる言うかも知れんけど。表面的な見かただね。
アメリカで公開された時に、ニューヨークタイムズに『めまい』そっくりだ、いう批評が実際にあったんだね。これ『クリント・イーストウッド』イアン・ジョンストン著 金丸美南子/訳(早川書房)いう本の114ページに載ってるの。興味のある人は読むと面白いと思うよ。
この作品のいいのは、場面を切り替える時に「ゆっくりとしたオーヴァーラップ」をたくさん使っている点やね。そこがなんとも知れん「幻想的で美しい効果」を上げている。内容は陰惨なんだけど映像で救われたね。
例えばイーストウッドと昔の恋人ドナ・ミルズの水際のラヴ・シーンなんか全然いやらしくないんやね。それこそ「霧のかかったような」画面で幻想的でね。メイキングでは、あそこはカットすべきシーンだ、いう意見もあったそうやけど、あのシーンが無かったら、もっと殺伐とした映画になってたね。
ロバータ・フラックの“THE FIRST TIME EVER I MET”「愛は面影の中」も良かったなぁ。ジャズの好きなイーストウッドらしく「モントルー・ジャズ・フェスティバル」の映像が入ってるね。ソプラノサックスを吹くキャノンボール・アダレイのお宝映像も入っとるし、ジャズファンにも見逃すことの出来ん映画やなぁ。
ラストにかけて、恋人を嫉妬に狂ったジェシカ・ウォルターから救おうと車を走らせるクリント・イーストウッドをカットバックで映して、手に汗握らせたね。あそこは上手かったなぁ。
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