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[コメント] 黄色い涙(2007/日)

この中で付き合うとしたら誰がいい?と聞かれたら、それは返答に困ってしまうけれども…
づん

プロフィールでも公言している通り私はジャニヲタなんですが、その中でも一番好きなグループがこの作品に出演している嵐なんです。という訳でちょっとおかしな方向からのレビューになってしまうと思うので、先に謝っておきます。スイマセン本当…(そういう見えない力が働いているので、採点は限りなく☆3に近い☆4です)

ヲタと言っても、歳のせいか最近はそこまで熱狂的ではなくなってきたので(お茶の間ファンの方からすれば充分熱狂的部類に入るとは思うんですけどね)、パンフも買ってないし、最近の$誌も全然読んでないので、この作品に対する彼らの取り組み姿勢や監督との繋がりなんかが微妙に分からないんですけども、ちょっと目にしたところでは、犬童一心監督は『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY』と『ピカ☆☆ンチ LIFE IS HARD だから HAPPY』を観て彼らの起用を決めたらしいです(あとコンサートも起用の要因だったと思います)。

今作にしてもピカンチシリーズにしてもそうなんですが(あるいは『木更津キャッツアイ』にしてもそう)、確かにこういうモラトリアムものは嵐にとても良く合うと思います。多感な時期の青年が持つ繊細さや微妙な心の揺れだったり、人生のほんの一時期だけが放つ刹那的な輝きみたいなものを、彼らは意図せず等身大で表現出来ていると思うからです。

しかし意図せず表現しているところに魅力がある訳であって、その魅力を引き出すのは嵐本人たちではなく、監督の仕事であると思うのです。嵐は素材としてそこに在るだけなんです。

そういう意味で犬童一心監督は堤幸彦監督(や金子文紀監督)ほど嵐の魅力を最大限引き出せなかったなと。私はそう思います。彼らの魅力が引き出せていない事により、この作品はアイドル映画としてすら成り立っていないのです。

こういう退屈な展開で2時間以上というのもちょっと苦しい。こういった超日常を描いた作品というのはやはり役者の演技力に頼るところが大きいと思うので、そういった意味ではこの作品と嵐という素材がミスマッチだったのかなとも思います。演技力で言えば二宮和也と、大甘に見て松本潤までは及第点だったと思うのですが、櫻井翔はちょっと苦しかったかな。撮影当時、確か松本潤蜷川幸雄演出の「白夜の女騎士」という舞台に出ていたと思うのですが、その為か松本潤の出番は恐ろしく少なく、時期が違っていれば松本櫻井のキャストを入れ替えても良かったのでは?と個人的には思います。

大野君は意外に心に沁みる演技をする子だし、相葉ちゃんは素なのか演技なのか分からないあの素人っぽさがある意味リアルで良かったし(でもあれは素だわ、確実に)、櫻井君も彼なりに頑張っていたと思うんです。頑張りすぎたのが仇になった感じだし。あーでも羞恥だったわ2時間ちょっと。

とまぁ想像していたより出来は良くなかったんですけれども、ただ「人生は人を欺かない」という言葉の通り、全編を通して伝わってくる温かみがこの作品にはあって、若者たちの輝かしくもちょっとくすぐったい時期を、決して上から目線ではなく大人目線で見守っているというような大きな包容力を感じました。それは私の大好きな「全肯定」という言葉に通じるような温かさに満ちていました。

あの狭い部屋で酒を飲みながら歌を歌うシーンや、揃って銭湯に行くシーン、恥じらいもなく夢を語り夜を明かすシーン等、なんでもない日常の、それでも大人の私たちはすでに失ってしまった日常の、そういった何気ないシーンにパステル調の淡い眩さを感じずにはいられませんでした。

櫻井がせめて標準語の台詞を与えられていたら・・・チェ。悔しい。

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07.05.24 記

(評価:★4)

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