直前に１作目を観直して行ったのが良かった。これはもはやスポーツ映画ではなく、スタローンの生き様そのものを描いた人生ドラマ。

思えば、スタローンの出世作となった１作目も、まだまだ売れない役者だった当時、本人が数日で脚本を書いて、「格安のギャラでいいから自分を主演にしてくれ」と頼み込んで主演になったのだった。鬱屈した青春時代を過ごすロッキーの姿が、見事にスタローンの当時の状況にダブって見えたものだった。

映画「ロッキー」とともにスターになったスタローンだが、近年はヒット作にも恵まれず、過去の栄光で食べてます、的な存在になっていたのは確か。「ロッキー・ザ・ファイナル」でも、ロッキーはレストランを経営し、過去の栄光を客達に話し、亡き妻の思い出にすがるだけの毎日。これって今のスタローンに近い。そして、どんなに馬鹿にされても、「もう一度リングに上がりたい！」と戦いに立ち向かっていくロッキーの姿は、「またロッキーを撮るのか・・」と観客や批評家に嘲笑されようともこの映画に挑戦するスタローンそのものじゃないだろうか・・。

何かに挑戦すべきかどうか迷ってる人がいたら、是非この映画を観て欲しい。一歩踏み出す勇気を得られることは間違いない。