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[コメント] 大日本人(2007/日)

天才と言えどオールマイティではない。そんなことよりも残念なのは。(07.06.05@梅田ピカデリー)
movableinferno

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







松本人志はこの映画を「誰も見たことのない映画」と称するが、それには全く肯けない。これは本当に未だ嘗て誰も見たことのない新しい映画か?いや、フェイクドキュメンタリーという手法にせよ、CGの使い方にせよ、シークエンスに突然割り込むテロップ(なんてもろ仏映画『カノン』)にせよ、驚くほど斬新なものではなく、またそれらを総合したこの映画そのものとて同様。そこまで追い詰めるのは意地悪だとして、確かにあまり観たことのない映画ではある。が、「だからどうした?」と思うのだ。ただ「見たことがない」だけでは心は揺さぶられない。観たことのないそれが観る者の常識をどう揺さぶるのか?が問題のはずだ。

それ以上に残念なのは、これは松本人志が過去に作ってきたものの縮小再生産に過ぎないのではないか?ということ。「松本人志の笑い」を知らないフランス人はさぞやビックリしたことだろう。しかし我々(30代以下の)日本人にとってこの映画の風景はすっかり見慣れたものだ。そして、この映画のネタひとつひとつは松本人志という天才が開拓した笑いの形だが、それらは今や誰にも真似の出来るものばかりだ。この映画が松本人志でなければ作れない映画だとは、私には到底思えない。松本人志にしかできない笑い、私にとってその象徴は例えばコントビデオ「VISUALBUM"約束"」に収録されているコント「古賀」だ。松本と板尾のやり取りを原西が台無しにした(この場合原西に罪はないのだけれども)シーンを観ながら、私は「ああ『古賀』が観たい」と強烈に思った。

(評価:★2)

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