[コメント] サイドカーに犬(2007/日)
飼われるのではなく、飼う側になりたいという願望を過剰に持つことでしか不安と自信のバランスがとれない女が、かつての自分に似た少女に見せる共感と優しさ、そして愛する男を飼い続けることの困難さを知った時のたじろぎ。そんな切ない機微を竹内結子が好演。
ふとしたことで自信を失いかけた30歳の薫(ミムラ)の脳裏に蘇った大人の女ヨーコもまた、今の自分と同じように不安の中を懸命に生きていた女だったという同世代女性としての確認作業。それは人生という長い時間を生き抜くための自信としては充分ではないかもしれない。しかし、また明日からの日々を活きる推進力として必要で大切なことなのだ。疲れたら立ち止まり、ささやかな自信を取り戻す。その繰り返しが、いつしかその人の人生の軌跡になるのだと思う。
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