[コメント] BIRD★SHT(1970/米)
これは紛れもなく大傑作である!まさしくアルトマンにしか撮れない映画、異色の極みだ。
この映画を観ていて本当に実感したのは、アルトマンは一つのテーマに沿って物語を展開させていくのではなくて、あちこちに脱線していくというスタイルの語り口なんだよな。『ナッシュビル』なんかもまさにそうで、物語の核となるものが何もない。全てが宙ぶらりんのまま、しかしどんどんカオス状態が加熱していく。ここに快感を覚えられないとアルトマンを楽しめないと思う。
そして、このアルトマンワールドに恐ろしく調和するのが怪女優シェリー・デュヴァルである。あの異様な付けまつ毛に誰が衝撃を受けずにいられるだろうか。勿論、主演であるバド・コートの飄々とした存在感も良いし、『M★A★S★H』でホットリップスを演じていたサリー・ケラーマンもよく分からないシーンでオッパイを出したりして頑張っている。
それにしても、この全編に散りばめられたギャグとも悪フザケともつかない描写の数々、鳥のフンが落ちてきて人がバタバタ死んでいくというナンセンスさ、そして驚愕のラストに至るまで、いくらアルトマンとはいえここまで全く独自の話法で映画を作れたということが奇跡的と思えてならない。どうしてこんなことが可能なのかが分からない。
この『BIRD★SHT』こそ、アルトマンの原点にして最高到達点であると断言する!
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