[コメント] デス・プルーフ in グラインドハウス(2007/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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オシャレで空調がバッチシ効いたシネコンで鑑賞しました。レイトショーはたったの3組にカップルしか客のいない閑散っていうか贅沢な状況・・・
そりゃね、私だって70年代の中坊から童貞だった高校生の頃にかけてはペラペラの薄い「ぴあ」を学生鞄に入れて都内・埼玉・千葉・神奈川の名画座巡りに大半の時間を割いてきましたよ。2本立てどころか3本立てもあったよね。思い出すのは、小便臭さとホモさんたちの誘惑だったりする訳だ。
この映画の音飛びやキズによる雨降りなんかの「小細工」はまさに彼のトラウマへのリスペクトなんだろう。その熱い気持ちは良く理解できた。痛いほどにね。こういう感覚支持しますよ、心から・・
でもね、作品の内容自体はどうなのよ?B級映画のリスペクトだとかオマージュなんてぇのは『キル・ビル』で思う存分試しちゃったんじゃなかったっけ?あん時はびっくらこいちゃったけど、今更B級映画館への・・・何て言われても俺は困惑しちゃうんですよ。
だって、正直つまらなかったんです。皆さん仰ってるように「ガールズトーク」って言うんですか、アレ。あの退屈で冗長なアレがキャラの造形に深みを与えた事実は確かです。確かですけどあそこまで退屈なっていうか、詳しいキャラの書き込みは本作にとって本当に必要だったんですかねぇ?
エロでグロで安っぽい作品のはずが、まるでカンヌにでも出品しかねないようにキャラの書き込みに時間を費やしてんだよな。見せ場は耐死仕様の車絡みだったんじゃないんですか?あのスプラッターなシーンが撮りたかったんじゃないんですか?少なくとも俺はエロとグロを期待して観にいきました。
特に前半の全員即死のおねえちゃんたちは、狂人に対して何のリアクションも無いまま即死させられちゃう訳で、結果的に彼女たちのキャラ造形なんてのはまったく必要が無いんですよ。仮に誰かが生き残って、復讐とかしていくっていう話ならソレは充分活きてくるんですけどね。極端に言えば、前半は15分で収めて起承転結の「起」のショートエピソードにしてしまっても良かったんじゃないのか?
繰り返すが、カンヌに出品する訳じゃないだろう。エロとグロの一本調子で責め抜いていくべきだった気がする。ついでに言わせてもらえば、エロの素材であるおねえちゃんたちも「おブス」過ぎやしませんか????後半のゾーイ・ベルとかいうスタント女も『キル・ビル』のユマ・サーマンのスタントウーマンだったとの事で、さすがに代役らしく華も実もない「B級」でしたし・・・
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