[コメント] アイ・アム・レジェンド(2007/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「泣いた赤鬼」を思い出してしまった。「お茶をのみにきませんか?おいしいお菓子もありますよ」と人間達によびかけたあの赤鬼である。もっとも彼の場合はナイトシーカーに呼びかけていたわけじゃないんだけど。
実はこの映画を何の予備知識も持たず観たのだが「隕石の激突かなんかで天変地異が起きて人類が死滅した地球で独り生きる男の冒険」だと思ってたものだから、見始めて後悔してしまった。だって俺ホラー苦手なんだもん。
「皆死んだんだ!」とかたくなに叫ぶネビルだが、本当にそう思っていたら彼は毎日ラジオで呼びかけたりしないんだな。これは、やっぱりそこに「神」の存在を絡めて語られてしまったから、科学者として人類を焼き尽したウィルスと命をかけて戦う身としては素直にそれにすがるわけにはいかなかったんじゃないだろうか。
絶望的に不利で危険な状況で、それでも勇気を振り絞り命がけで助けに行ったくらい大切な相棒のサムを失った怒りが彼を復讐の暴挙に駆り立て、それが生存者との遭遇につながり、その生存者に血清を託してネビルは命を落とす。そしてその血清がやがて世界を救い、ネビルは「伝説=殉教者」となる。
「やっぱり神様はいるんだよ」って言いたいんだろうけど、惜しむらくは編集がブッタ切り過ぎて、ナイトシーカーの描写が足りないからただの「人間VS人間モドキ」の戦いになってしまっていること。なぜならたぶんクライマックスのアレ、ナイトシーカーの父親がネビルにさらわれて人体実験されてる娘を助けに来たんだと思うから。ネビルの言う「Brain function=脳機能」は失われていなかったんじゃないだろうか。
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