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[コメント] ドラゴン・キングダム(2008/米)

「夢の競演」にケチはつけたかないけれど、これだけは言わせてください。この映画には「修行」が足りない!(08.09.11@なんばパークスシネマ)
movableinferno

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







カンフー大好きボンクラ少年がひょんなことからパラレルワールドにトリップ。カンフーマスターに教えを乞うて自らもカンフーマスターに。そして弱虫から勇敢な少年に成長する…という設定はなかなか悪くない。しかしねえ、この主人公少年のキャラクターが弱すぎるよ。せっかくの「夢の競演」だから、ってジャッキーとリンチェイのファイトシーンにしっかり時間を割いたのは英断だと思うけれども、だからと言って主人公少年の人物描写に手を抜いてしまっては映画そのものが弱くなってしまうんだよう。

だから中途半端な金燕子なんか割っ引いちゃって「修行」をもっとちゃんとやれよ「修行」をよう。この映画には「修行」が要るんだよ、「修行」があれば大概の穴はふさげたんだよう。この映画は要するに『ベストキッド』なんだから(功夫の修行として草刈りをさせられた少年が「ちゃんと功夫を教えてくれ!」と文句を言うシーンまであるんだからわかってはいるはず!)チンピラ同級生に脅されて懇意にしている中国人の爺ちゃんの店を襲う手引きをさせられてしまったヘタレ少年が成長するために何が必要かって「修行」だろ「修行」に決まってんだろうがあ!この「足りなさ」って単純に尺として短いってことじゃなくて、おそらく見せ方の工夫の足りなさなんですよ。我々の愛する功夫映画には、『酔拳』や『少林寺三十六房』には、ワクワクするようなそれがあった。別に香港映画の専売特許じゃないよ。だって『ベストキッド』にもそれはあった、それどころか『ロッキー』にだってあったんだから。(なぜかどっちもジョン・G・アヴィルドセン監督だ…)

酔八仙をごちゃまぜにしたような謎の酔拳マスターと金燕子がキラーウルフこと白髪魔女と戦って孫悟空を助けに行く…なんてめちゃくちゃな話だって全然構わない。むしろオールスター興行にはお誂え向きだ。そもそも、それぞれの映画世界を確立してきたスター同士の「オールスター夢の競演」なんて、あっちもこっちも立てようとして『関東緋桜一家』みたいな大味グダグダ映画になってしまうものですよ。でもね、「修行」というキモさえがっちり押さえていれば、この映画は単なるオールスター興行にはせずにすんだはずなのに。と思うんです。その可能性はあったのに。勿体無いよ。勿体無い。

って思うのは、不意に心躍るシーンがいくつもあったから。いや…正直ねえ、JJ対決はそない感心せなんだよ。実現したことには敬意を表するけれども、だってやっぱり持ち味が違いすぎて…。それぞれがいくらおいしいからって、鰻とトンカツをひとつの丼には盛らないから。それよりも印象的だったのは、まずリンチェイの孫悟空。悪戯っぽい仕草や表情を織り交ぜながらキャッキャと戦う姿がすごくチャーミング!あと、リンチェイがジャッキーにおしっこかけるとことか、不老不死の霊薬を飲んだジャッキーが復活するところとか、まあ有り体に言って下品な演出には妙な幸福感があって、なかなかに忘れがたいです。

(評価:★3)

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