[コメント] スカイ・クロラ(2008/日)
バルト9で、『ダークナイト』の終わりから20分で始まるし、終電にもギリで間に合うし……というだけで、押井監督のことも映画のこともキルドレのことも何も知らないで観ちゃったもんだから(『うる星2』は観た、面白かった)、この映画に登場するパイロットが子供だという設定さえ説明されるまで分からなかったです。ドアでけーなー、イスでけーなーとは思ってたんですが、コクピットにはどうやらぴったり収まる体格だし、何しろ頭身や骨格や運動の描写に「子供です」という主張がぜんぜんない。途中で「子供です」宣言があって初めて、ああそれで菊地凛子なんだ、と変な納得の仕方をしてしまった。
で、子供であることは分かっても、じゃあキルドレって何? と思ってると主人公が「大人になれなんじゃない、ならないんだ」みたいなことを言うもんで、ああそうかキルドレというのは自分の意思で大人になったりならなかったりできるんだ、と間違った納得の仕方をしてしまう。集中して観ていればもうちょっとしっかり情報をキャッチできたのかもしれないけれど、正直、冒頭から退屈でどうしようもなかった。前情報のない私にとってこの映画の前半は「キルドレの空ろな心象描写」ではなく「空ろなキャラクター描写の空ろな映画」でしかなかったわけで。
この映画の「原作付きの映画だから設定はわかってるでしょ?」的なスタンスが、どうにも私には受け入れ難かったです。主人公が周囲の人間に何か質問して、それがはぐらかされるたびにイライラが募るし、後半でドドドドドドといきなりセリフで設定を説明されても、もう飽きちゃってるし。
あと、監督は「CGと手描きを使いこなしてリッチな画面」とか言ってたみたいだけど、完全に分離してたと思うよ。
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