[コメント] 地球が静止する日(2008/米)
いいわあジェニファー・コネリーいいわあ眉がキリッとしててポニーテールでママさんで科学者でいいわあ。などと云っていられるのも初めのうちだけで、描写は出来事の上っ面をなぞることに終始して物語に深さや豊かさなど生まれる気配もなく、展開には説得力というものがまるでない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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画面そのものに目を転じてみても、光の造型などコンピュータ・グラフィクスと実景の不調和が画面のクオリティを著しく落としており、また雪は雪らしくなく、雨は雨らしくない。かと云ってつくりものの美しさがあるわけでももちろんない。しかしながら私がこの映画を憎めないのは、そのような酷いカットがある一方で実に愉快なカットもあるからだ。セントラル・パークでの球体を前にした人々の配置のまばら加減であるとか、術後に目を醒ましたキアヌ・リーヴスのベッド上での暴れっぷりであるとか。リーヴスの逆尋問やパトカーを操作して警官を挟む、などといった暴力的な描写の滑稽さにもそそられるものがある。ヘリコプターによるコネリー拉致なんかもとても無茶で面白い。
改善すべき点はいくらでもあるわけだが、個人的にひとつ挙げるとするならば、森でコネリーの息子とリーヴスが二人きりになってからのシーンか。ここが二人の珍道中として成立していたならば映画全体の印象ももっとよくなっていただろう。
一連の事件の発端となる場がセントラル・パークであること。一種の「風」によって人類が危機に瀕すること。その二点から『ハプニング』を想起し、これと比較する人もいるかもしれませんが、そこでその人が思うであろうことは「あ、シャマランてやっぱり演出力あるんだな」ということでしょう。
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