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[コメント] エレファントマン(1980/英=米)

リンチ節を楽しんで、19世紀を楽しんだら、モノクロームも気にならない。コメントも見つからないくらいだ。
mfjt

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







健常な我々は、彼の境遇に最大の悲劇をみる。しかし彼にとっての苦しみとは、それ以前の絶え間ない肉体の苦しみ、あるいは、トラウマとしての原初的な心の痛みだったのではないか。それは、彼を理解する上流社会のホスピタリティを得てもなお、いやされるものではなかったろう。

そして彼は、すべてを見抜いていたのではないか。そして常に演じていたのではないか。

最後「終わった」といった後のしばしの苦悩の仕草。これこそが、いやされることのない彼の孤独を雄弁に物語っている。だからこそ、「命は永遠」という禅的な結論に頼らざるを得なかったのだろう。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)スパルタのキツネ[*] * 太陽と戦慄 モモ★ラッチ[*]

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