このリンレーのキャラ造形はラストの展開を担保するものだと思い知る。彼女が聡明であればとても納得できないプロット展開なのだ。というような理に落ちたお話は置いておこう。冒頭の屋敷や保育園、越し先のアパート、人形の修理屋、病院等出てくる建物や空間の描写は悉く見事だし、キャラクター造型も少々演劇臭い部分はあるが良く出来ている。特に前半しか出ないが越し先の大家を演じるノエル・カワードが見た目も言動もいやらしくていい。お話に殆ど絡まないこういうキャラクターは人によって好悪が分かれるところだろうが、私は大好き。しかし一番良いシーンは人形病院のシーンだろう。こゝの人形をいっぱいに並べた美術が気持ち悪くて最高。