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[コメント] イングロリアス・バスターズ(2009/米=独)

個別のダイアログにおけるテンション演出はほぼ完璧。一方で、「大きな物語」により情感を生むことには失敗している。タランティーノは、それができない作家ではないはずなのだが。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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地下の居酒屋での銃撃戦現場にクリストフ・ヴァルツが登場するあたりまでは絶品の出来だったのだが、クライマックスのプレミア上映シークェンスに入るや途端に弛緩する。あれでは、ヴァルツにしてもバスターズたちにしても間抜けな道化で終わってしまう。

何より、あそこまでメラニー・ロランとヴァルツの因縁を描いておきながら、最期において二人の運命を直接交わらせないというのは、やはり作劇として間違っているだろう。

そこまでかなりセオリカルな物語展開をしたがゆえの「照れ」もあるのかもしれないが、冒頭の酪農家に対する仏語・英語使い分けによる尋問シーンをはじめ出色のダイアログが続いただけに、惜しまれるところ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)牛乳瓶 水那岐[*] けにろん[*]

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