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[コメント] インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994/米)

映画化で端折られたであろう年代記的ヴォリュームを補って余りある、トム・クルーズの図々しいまでのヴィジュアル、これはやっぱり魅力的だ。事情があったとはいえ、クリスチャン・スレーターの記者は凡庸に過ぎる。
shiono

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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トム・クルーズ:ブラッド・ピット:クリスチャン・スレーターというラインが、神:ナザレのイエス:新約聖書(の著者)を模倣したものであることは明らかだ。ピットは純粋悪と人間の間を揺れ動き、延々と苦悩する内面を我々に語って聞かせるわけだが、この「誰かに話を聞いて欲しい」という欲求自体がまた実に人間的な着想だと思う。

たいするに、まったく迷うことがないクルーズは、その外見だけを目まぐるしく変化させ、喉を掻き切られたり火だるまになったりと散々なのであるが、葛藤をまったく見せず表層のみを際立たせる役どころ、これはまさしくクルーズの真骨頂である。

不満なのは記者のキャスティングで、スレーターというのはいかにも野暮ったい。ピット:クルーズ:キルスティン・ダンストという20世紀初頭のゴスロリ三角関係がピットとクルーズの相互依存を強調していたのだから、それに対応する形で記者に女優を配し、現在進行形の世紀末トライアングルを艶かしく描いて欲しかった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)disjunctive[*] Myurakz[*] けにろん[*]

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