[コメント] アバター(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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私はキャメロンが好きだし、天才だと思っている。1000本以上鑑賞した中でたった30本程しかない私の5点映画のうち実に4本も彼の作品である。
それなのに・・・それなのに本作は、私に何の高揚感も与えてくれない!!飛び出すとか飛び出さないとか、どうでも良い。何なんだこの鬱陶しい話は。
で、色々考えたところ、一つの結論に達した。
ネイティリが悪い!!つまりはヒロインの描き方がダメダメだ!!
そもそもキャメロンが描くのを得意とするのは、強い女(≒母)とそれを支える男の図式である(結果的にそれが恋愛であっても、あくまで図式。決して恋愛そのものではない)。
その証拠に、腕力のない『アビス』『タイタニック』『トゥルーライズ』のヒロイン達でさえ、主人公(=男)に頼らずに強さを見せる場面があったし、そしてその場面こそ、彼女達が最も輝いた瞬間であった。
ところがネイティリはと言うと、戦闘能力こそ歴代ヒロイン最強だが、精神的には最弱だ。不安定すぎる。すぐ泣くし気持ちもコロコロ変わるし素直じゃないし。つまりただの“女の子”。キャメロンに描けるわけがない。
主人公ジェイクがいまいち魅力に欠けるのはまだ許せるが、キャメロン作品の核たるヒロインがこれでは、救いようがない。愛だの何だの言わずにジェイクなんてさっさと殺しちゃって、ネイティリが悲しみの中奮い立ち、一族を率いていくような話だったら、どんなに面白かったか・・・。
まさかジェームズ・キャメロン監督作品に2点つける日が来ようとは。キャメロンよ、『タイタニック』で普通の女の子や恋愛が描けるとでも勘違いしたのか。あれは恋愛映画ではなくパニック映画だぞ。
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