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[コメント] 第9地区(2009/米=ニュージーランド)

B級をさらに下回るC級な作劇設定が映画的な感動を呼ぶSO-SO映画
junojuna

 C級を感じさせる映画とは、すなわち主人公が最悪という設定につきるだろう。そんな物語構造を用意しながら、一抹の感動を生み出すあたり、ニール・ブロムカンプ、一筋縄ではないなと思わせる。エイリアンが庶民的な生活を営む風景を見せながら、カメラはそこに大きくツッコむでもない。笑いというベクトルは微妙な要素としてまぶしつつ、物語は、B級王道のダメ主人公あばれはっちゃく路線へと突っ走る。片腕がエイリアンとなってしまったヴィカスが、エイリアンのDNAを持つが故に扱うことができる兵器の数々。ぶっ放すその姿は喝采ものだ。石井聰亙『狂い咲きサンダーロード』(80)の山田辰夫を思い出してしまうほど、毒とカオスに満ちた作品ではある。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)Orpheus 太陽と戦慄 ぽんしゅう[*] けにろん[*]

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