[コメント] マイ・バック・ページ(2011/日)
憧れと気負いと空回りと焦りと尊大と傲慢と拒絶と反発と甘えと楽観と保身と諦めと虚脱と感傷と。☆3.8点。
思えば本当の事が見えなかった時代だったのではないか。本当に行動する事が出来なかったのではないか。本当の行動ではなかった。
だが、それは真摯であろうとしなかったという事ではない。誠実であろうとしなかったという事ではない。
そこを甘えと言うなら、私には言っている人間自身が甘えているように見える。
この映画に対する違和感は、恐らく私の認識の不勉強から来るのだろう。でも言いたい。この映画は「<本物>であろうともがき、<本物>になれなかった男たち2人の物語」になっているが、その時代に生きた若者が目指していたものは「<本物>になる事」ではなかった筈だ、と。自分自身で世界に触れること。真の意味で社会に参加する事。それをギリギリまで突き詰めていたのだ。この映画の2人の存在で時代を裁くのなら、私は違和感がある。
ただ、私自身は妻夫木の「偽っている」という自覚には身につまされた。偽りながら恥ずかしく生き、それでも夢を持ち続けていたい。
(蛇足) パンフで川本氏がこの映画を普通に評論しているかの如き筆致には驚いた。照れ隠しなのか、ご本人の違和感なのか、突き離しなのか。
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