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[コメント] 世界侵略:ロサンゼルス決戦(2011/米)

ブラックホーク』な体感型戦闘シーンを特撮ジャンルに持ち込んでの『スクール・ウォーズ』みたいな先生と生徒のお涙頂戴ドラマは見られぬレベルでもないのだが、問題はこれがジュニア・ヘビー(戦争映画)ではなくヘビー級(宇宙人侵略映画)のリングだということだ。
kiona

観客の興味がどうあるかという問題に関しては、たとえばスピルバーグは、こういう根本的な錯誤を起こしたりはしない。『プライベート・ライアン』のような戦争映画であれば局所のドラマのみを展開しても観客はついてくるのだが、これは宇宙人が侵略してくるという莫大な未知が背景に存在しているはずの話だ。プログラム・ピクチャーならいざ知らず、久方ぶりのブロック・バスターに観客が期待することは何だという話である。

こんな海兵隊のドラマなんて端っこのほうでそこはかとなく展開されて評価されるんであって、フレームの中心に陣取られたら、身のほど知らずのお邪魔虫でしかない。こいつらのせいで見えないフレームの外では、いったい、どんな大状況が展開されているのかと、そればかりが気になって集中できなかった。

まあ、その肝心な宇宙人も、そんな色っぽいアレではないと早々に見せつけられたというか、むしろ、そこはやりませんよ、これは企画モノですよ、女優はそこいらの不細工ですよ、変に期待しないでくださいねとほのめかすような適当なアレだったので、もういいやという感じだったのだが、それはそれとして、たとえば、そりゃあ兄貴の戦死は悲しいだろうが、その億千万倍もの大虐殺が行われ地球の存亡が危ぶまれる中で、おまいはまだそれを言うのか、と。たかだか局所のモチーフにこだわりすぎてシナリオに無理が出ていることにも気づいていないというのは、このジャンルをなめてかかる人の初歩的なミスだとケチをつけておきたい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)MSRkb chilidog[*] 3819695[*] けにろん[*]

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