[コメント] 股旅(1973/日)
秋の野を枯れ葉のように風に転がされてゆく男たちの、紙屑のような生。寒々しい風は吹き抜けてゆき、後にはなにも残らない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
小倉一郎、尾藤イサオ、萩原健一。みんな自由に憧れてではなく、自由に旅して生きるしか「生き場」のなくなった男どもである。剣の腕などは知れたものであるから、ただみっともなく剣を振り回して傷をつけあい、斬られれば子供のように泣き喚く。そして破傷風で、あるいは尖った石に頭をぶつけてあっけないように死んでゆく。何分何文で数えられる命だ、仕方がないとも言えるのだろう。イージーライダーのようにカッコ良く散れる筈もないのだ、この男たちは歴史の堆積のなかにも数えられないチリアクタどもであるのだから。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。