事の発端を考えると大したカタルシスなどありえないわけで、それはこのテのハリウッド作品の前提だから置いておこう。

一見荒唐無稽な作戦とその成功はあたかも映画そのものであり、それが事実である事がまたこのテの作品の魅力ではある。まあそれでもやはりアメリカ人は自己中心的で、「カナダはよくしてくれた」というよりも「やらざるをえなかった」部分は否めないだろう。個人的にはこの救出劇の最大の功労者はイラン内の協力者であると思うし、それはあのカナダ大使私邸のメイドに他ならない。その彼女は身の安全を求めてイラクに亡命する‥‥ってもっと遇し方があるだろ。

まあ「イラン内の協力者」について詳細に描写する事はありえないことだろうけど。とにかく無事だったということが描かれていたから、それがカタルシスだったと言えなくもない。実際のところは買収などでうまく空港のチェックをくぐり抜けたというところじゃないかと推察しますがね。

ザ・佳作という感じでした。